triangle感想

トライアングルを見た トライアングルはくらもちふさこの作品を原案にモー娘15が演じた舞台である この映画を見る直前に2017年版のファラオの墓を見てたのでテンションの落差がデカ過ぎて今ちょっとトライアングル無理かなと思いつつ見始めた

この時点で私はトライアングルに関する予備知識が一切無くてディスクケースの裏のあらすじだけ読んでどんな起承転結がつくのかマジで全然わかんなかった 実際タイトルでトライアングルと言われてたにも関わらず開始後しばらくしても三角関係の話とは気づかなかった

α視聴開始 ゆっくりストリングスが鳴り出してうわっこれ絶対良い曲始まるて思った瞬間明るくテンポ良い弦楽の主旋律となる この曲…この曲はマジで良い マジでこれは聞かないと伝わらない 長調で弦楽が伸びやかで本当に軽やかで清くて明るくてでもどこか足りないようなそういう切なさのある本当にスゲ~神曲 舞台セットとかライトの色も相まってまさに浄土、竜宮城のテーマという感じ、、、、正直曲が良過ぎて歌詞が全然聞き取れなかった 鞘師がイケメンで工藤遥が今回もカッコ良いのは分かった そして石田亜佑美である スネフェル様が…いやさっきまでスネフェル様だったのにすごく…めっちゃカワイイ 可愛い 衣装も髪型も顔も声も仕草もかわいくて でもここでいう可愛いとは俗っぽいかわいさというより(もちろんそういう意味での可愛いもあるが)無垢で世間知らずなお姫様可愛いという感じの可愛さ いや、、だってさっきまで残忍な王だったのに…温度差 石田亜佑美演技の振り幅が五千兆キロメートルくらいあって怖い その時私は石田亜佑美のことをもっと知りたいと思った…今まで石田亜佑美のことを知ろうとせずに生きてきた20年間を悔やんだ アイドルとは美しい人間の最も美しい一瞬を切り取って飾った存在であり、その星の瞬きとも言える僅かな時間は一瞬でありながら純粋な価値が高じるあまり肉体から乖離して永遠のものとなる 私はそれを見逃していた、、、見逃していた ショック この円盤見終わったら絶対石田亜佑美の動画見まくってライブ行こうって思った

めっちゃ良い曲が終わる でも一向に話が見えなかった なんかクラゲみたいな子達が可愛い でも全然何したいのか分からん ここからしばらく全然テーマが分かんないまま話が進行 途中の佐藤優樹の曲良かった つーかトライアングル全体として楽器の主張が少なくて、だからこうなんというかオシャレに纏まっててテンポが良い曲ばかり 弦楽器と打ち込み音楽の相性も超センス良くて青とオレンジのライトとキラキラ光る舞台セットと合わさり海の中のような不思議な世界観が作られていた 市川淳、good job

そのうち鞘師と石田が手を触れずにキレキレのダンスを披露 めっちゃ良かったこれ ここでようやくタイトルのトライアングルは恋愛の三角関係のことなのかなって気付いた 確かにそういえばトライアングルって三角って意味だな…

だいぶ遅くなったがトライアングルαは石田サクラ姫と工藤アサダが両思いだけどサクラ姫は鞘師キリと婚約することに…みたいな話だと分かった 順当に行けばキリが当て馬でアサダとサクラ姫が結ばれるはずだけど結局サクラ姫は自らの意思でキリと結婚する ここまでは面白い結末の少女漫画だなという印象 最後に一番初めに流れたあの名曲が聞けて良かった、作品全体を通して明るく楽しげなのにどことなく切ない素敵な舞台だなって思って終わるのかと思ったがカーテンコール後の例の神曲全員合唱の時のサクラ姫のセリフで一変する

この星のために我が身を捧げる

私は、、、、これを聞いた瞬間唖然としてしまって、、、急に涙が溢れて止まらなくなってしまった サクラ姫は偉いなって思った、、、。サクラ姫が最後に出した結論は愛する人が自分以外の愛する人(とサクラ姫は思っているがβを見るとまた違って見える)と結ばれ、自分は自分に与えられた運命に従うというものである サクラ姫は星の姫なので運命に背くと星ごと罰を受けるため従わざるを得なかったと言えばそれまでだが、創作物というのは大抵そういう生まれ持った運命に逆らい自らの手で夢ある明日を切り開こうとするとなんやかんや奇跡が起きてハッピーエンドになるのだ なぜなら運命に逆らうことは美徳だから ご都合主義 なので星の姫とかそんな設定などストーリー分岐の障害ですらない でもサクラ姫はそうしなかった、、、サクラ姫は無垢で素直で清らかな曇りない鏡のような心のお姫様でそれ故にそんな大人の判断をするとは思えなかったしして欲しくなかった…あんなに清らかで真っ直ぐな人が自分の望みを叶えられないなんて許せない ああいう人こそ幸せになるべきなのだ、、と しかしサクラ姫はこの星のために我が身を捧げると微笑む 悲しい…そんなこと言われると悲しい、、、どうしてあなたが諦めなければいけないのか そんな風に言われたらもう受け入れるしかない 大人になるということは取り返しがつかないことである だから精一杯その決断を殊勝だと…偉いと思うことしか出来なかった 笑顔で気持ちを飲みこんで周りに迷惑かけなくて本当に偉くて尊敬した…感激した…本当に偉いなって思った 私もこれから辛い時はサクラ姫のこと思い出して頑張って生きようって思った

βを見るとまた感想が変わる βではアサダ目線でαのストーリーの補完がされていた βの構成はなんかαの三角関係に小田ローズウッドを足して四角関係?になってた サクラ姫に対するキリとアサダに対するローズウッドの構図を寄せてるなという印象 アサダとサクラ姫は終始一貫してお互いに対して淡くてキラキラした恋心を持っていた 穢れないような純粋な好意はしかし未熟なまま捨てられてしまう、、自分の恋を貫くより自分を愛してくれる人を受け入れるという決断をする 惑星アルファは争いのない調和の星である…争い、争いとは憎しみだけによって起こるのではなく同じだけ愛によってもたらされるのだ この舞台では自分の強い思いを押し付けるよりも調和を選ぶことこそが美徳とされる なんでそんな酷いこと言う、、、、これを否定したくなるのも当たり前である そんなの悲しいから…好きなのに、、どうして、、、

αを見た段階ではタイトルのトライアングルとは恋愛の三角関係のことを指すと思っていた 喪女なので恋愛とかよく知りませんけど基本的に恋愛というのは2人でするもの…三角関係という言葉から連想されるドロドロした雰囲気はこの舞台で繰り返し表現された浄土のような平和の星アルファにはそぐわない トライアングルとは三角関係のことではなかったのだ 本編では何度も役者達がお遊戯会みたいに一列に並んで手を繋ぐ

平和とは…平和とはなんだろう、、みんなが手を取り合い微笑む…本当はたった1人だけと手を繋ぎたくても、、、1人だけを選べないことは決して不幸なことではないのだ 選べなくても平和の先にいつか必ず幸せが訪れる…本編途中で婚約の儀式を控えたサクラ姫が父親に伝えられた言葉 お前に幸せになって欲しい、、